大学院と大学の違い 経験談から語る大学院生について
様々な場面で
「いま大学生さんですか?」とか「お仕事何されてるんですか?」って質問をされるのですが、
「大学院生です。」と答えると、
大抵の返しは、
「えっ賢いんですね」、「大学院生って何やってるんですか」です。
ということで、大学院生とは何かを知らない人が多いと思いますので、
現在大学院卒業間近の僕が、卒業して大学院の経験を忘れないうちに文字に起こしておこうと思います。
- 大学院生と大学生の違いを知りたい人
- 大学院生の彼氏・彼女がいる人
- 大学院進学を考えている人
さきに結論から述べてしまうと、
ですが、それだと違いがわからないと思いますので、僕が在籍した情報科学系の大学院にフォーカスして説明します。
前提条件
まずは僕がどういった大学院にいるのかまとめておきます。
- 情報科学研究科・情報システム専攻(2019年3月卒業)
- 学部から同じ大学の大学院に進学
- 学部と同じ研究室所属
大学院生って何してるの?
この答えは所属研究室、研究内容に依存してしまいます。
僕の経験から大学院生が学内で何をしているのかリストアップしてみると、
- 研究
- 研究室のゼミや輪講
- TA(Teaching Assistant)
- 講義を受ける
それぞれについて掘り下げていきましょう。
研究って?
おそらく大学院生が何しているかを知らない人の疑問点の多くが、「研究」ではないでしょうか。
世間の研究のイメージってこんな感じになんか液体が入った試験管とにらめっこしてって感じなのでは?
たしかに化学系研究科の方であればそうかもしれません。
まず研究ってどんなことをするのって疑問を解いていきたいと思います。
研究は大きく
- テーマ決め
- 文献調査
- 仮説を立て検証
- 検証結果をもとに論文にまとめる
- 学会発表する・論文誌に投稿する
こんな感じです。
これらを順にやっていくというよりは、
テーマ決めのために、興味ある分野の文献調査をしたり、
こういう問題に昔から着目しているから、それに関する論文を調査したり、
文献調査と仮説検証を繰り返したり、
仮説検証しながら論文を書いたり、
やりかたは多様だと思います。
そして研究テーマは、研究室の特色や、個人が問題視している視点も多様なので仮説検証の仕方も異なります。
もしどのような研究をしているのか興味ある方は、
google scholarで興味あるキーワードを調べてみてください。
例えばブログと検索すると2018年以降にでた論文が584件ヒットしました。
横にpdfと表示されているところをクリックすれば論文が読めますので、ぜひ目を通していただければ、
どんなことをやっていて、論文ってこういうものなんだってことが少し理解していただけると思います。
あとこんなことも研究のテーマとして扱っているんだと驚きや面白さを感じていただけると思います。
研究室のゼミや輪講
ゼミ?、輪講?
これは学部生も共通してご存知だと思います。
ただ大学生以外の方にはイメージがつきにくいと思いますのでそれぞれ説明していきます。
ゼミ
僕が所属する研究室のゼミは研究の進捗や今週やることを指導教員の教授や所属学生に共有をします。
「研究進捗を報告し議論し意見交換をする場」ととらえていただくのがいいかもしれません。
もちろん学会発表用のスライドショーを確認したり、修士論文の相談等もします。
輪講
輪講は「輪を囲んだ講義」ってイメージなんですけど、
輪講は何か一つの専門書をみんなで精読し勉強するようなイメージでとらえていただくとわかりやすいと思います。
僕たちの研究室では確率過程や待ち行列モデルに関する英語で書かれた専門書をつかって勉強していました。
TA(Teaching Assistant)
TAとは学部生向けの講義のアシスタントをします。
座学中心の講義では、配布プリントの準備、配布、ミニッツペーパーやテストの回収・整理等が主な仕事です。
実験系の講義では、学生の質問に答えたり、支援したりします。
基本、TAはアルバイトのようなものと考えていただければいいと思います。
なのでお金をいただけます。
TAに関しては大学院生に限らず、大学によっては学部4年から任せられる子もいます。
僕の研究室では学部4年と大学院1年生がよくTAを任せられています。
講義を受ける
大学院に進学しても講義は受ける必要があります(卒業に必要な単位取得のため)。
僕が所属する大学院では、学部の講義とがらっと形式が変わりました。
- 講義形式
- 成績評価
- 学生規模
の3点から違いを述べます。
講義形式
学部までの講義は、座学が多く、先生が淡々と語る形式が多いです。
大学院では、座学形式ではなく、
学生が主役の形式が多くなります。
どういうことかというと、
毎時間、あるテーマについて1人か2人が発表をします。
それについて先生からの質問に答えたり、学生からの質問に答えるなど、議論を繰り返してテーマに関する知識を深めていく形式です。
成績評価
学部の講義の成績はテスト、レポートの割合がほとんどではないでしょうか。
大学院になるとテストはあまりないような印象でした。 僕は大学院の講義でテストが一回もありませんでした。
その代わり、発表が成績評価の対象となったり、発表したテーマや他の学生が発表したテーマを含め何かレポートを書くことがありました。
学生規模
学生規模については、学部と大学院の学生数がそもそも違うので、講義に参加する学生の人数も異なります。
僕が所属していた学部は 90人ほどだったので、90人前後が講義に参加していました。
大学院の定員は30人でしたが、3つの専攻に分かれています。
共通科目であれば、30人マックスで参加していますが、
ほとんどの講義が10人弱でした。
少ない講義では3人とかありました。笑
まとめ
今回は大学生と大学院生の違いについて紹介しました。
まとめると、 大学院生がやっていることは、
- 研究
- 研究室のゼミや輪講
- TA(Teaching Assistant)
- 講義を受ける
大学生との違いは
研究など自主的な活動がメインで自律性が求められるのかもしれません。
正直、だらけようと思えばだらけれるし、めちゃくちゃ頑張ろうと思えば頑張れます。
もし大学院進学するかどうか悩んでいるのであれば、
- 研究したいことがあるか
- 何かを突き詰めていくことが好きか
- 論文執筆を通して日本語のライティングスキルや論理的思考力を身に付けたい
以上の項目に合致する点が多いのであればぜひ大学院に進学してみてはいかがですか?